絶景と安心感を併せ持ち一家を包み込む住宅

この住宅の敷地は、兵庫県宝塚市にある山の斜面。小高い敷地の目の前に広がるのは、大阪から神戸までを一望する絶景です。この景観とともに暮らしたいという建築主夫妻の強い希望に、景観に向かって大きな開口を持つシェルのような形状で一家を包み込むというアイデアを提案しました。景観への開放感と日常生活を包み込む安心感を両立させることができると考えました。今では、リビングのコーナー部分にイージーチェアを置き、ゆっくりと景色を眺めるのがご主人の日課となっているとお聞きしています。

敷地は斜面地であることに加え、水路で道から切り離され、4mの崖に三方を囲まれた施工の難しい土地でした。しかしこのような切り立ったエッジにある敷地では、通常の平地では得られないさまざまな「刺激」を家の中に取り込むことができます。それぞれの方向に開口を効果的にあけるため、三角形を使った多面体としました。外壁の一部を外側に傾けたことで、家の中では傾いた壁が空間自体の動きをダイナミックなものとし、絶景の広がる2階への前章としての期待感を生み出します。道路側の三角形の窓は、急な上り坂を上ってくる人や、水路の流れる光景を住宅のエントランス部分に取り込みます。設計中に生まれた息子さんは雨の日にはこの窓から水路の流れを飽くことなく見ているといいます。

Information
建築地兵庫県宝塚市
主用途住宅
構造木造
規模地上2F
竣工年2010年1月
備考なし