敷地は郊外の住宅団地。同じような区画に同じような家が並行して整然と建ち並ぶ、比較的個性の乏しい町並み。そんな中でいかにプライバシーを守りつつ開放的で個性ある生活空間を生み出すか。それがこの作品の課題でありました。
この住宅の最大の特徴は町並みに対して平行・直角に配された1階と、「斜め」に配された2階の平面的なズレ。プランに「斜め」を用いることで、リビングの吹き抜けから2階と空と1階の庭が同時に見えたり、2階の各部屋全てを見渡しながら同時に外や吹き抜け下のリビング、そして庭までも見ることができたり、浴室に大きな窓をとりながらもリビングから直接見えないようにすることができたりと、平行・直角のプランではつくれない繊細でかつ大胆な視線の拡がりを生み出すことが出来ました没個性的な住宅団地に豊かな拡がりある空間を生み出す、ひとつの答えとなりえたのではないかと考えています。
西神南T邸
建築地 | 兵庫県神戸市 |
主用途 | 住宅 |
構造 | 木造 |
規模 | 地上2F |
竣工年 | 2006年3月 |
備考 | なし |
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