宝塚市山手台の南向き斜面に位置する閑静な住宅地。眺望に恵まれた敷地での計画です。余裕のある敷地を活かして建物は平屋建てとし、大きな2枚の屋根がずれて重なる大屋根の家を設計しました。屋根形状に合わせ天井高さのあるおおらかなリビング・ダイニング。その頂点からは光が差し込み、空間に日々の変化を与えます。リビング・ダイニングの南側には深い軒のかかった広々としたテラスがひろがり、眺望を楽しむとともに、豊かな外部空間を演出します。作業スペースと一体となったキッチンは、子供たちが勉強する様子を見ながら食事を作ったり、大人数の来客時にはテーブルとして使ったり、柔軟に対応できるスペースです。

またアプローチ空間も見どころのひとつです。まず目に入るのは、駐車場と倉庫を一体とした建物です。駐車スペースと倉庫を交互に配置することで構造壁を取り、木造でありながら充分な駐車スペースを確保しています。倉庫出入り口の扉には木仕上げのおおきな引き戸。ダイナミックでリズム感のある演出が広々とした外部空間を引き締めています。玄関に向かうアプローチからは、家を大きく覆う屋根が見えます。ダイナミックでありながら軒先の繊細でシャープな納まりが、建物の品格を高めます。

流れ屋根の平屋(宝塚F邸)

建築地兵庫県宝塚市
主用途住宅
構造木造
規模地上1F(一部ロフト)
竣工年2013年8月
備考なし
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変化に富んだ重なり合いを包容する小屋組み

明るさと暗さがつくる広がり

線によるおおらかな空間