酒造会社が多く集まる酒蔵通りの一角にあるレストランです。
道行く人が気軽に楽しめる開放的な南庭と、レンガと木ルーバーに囲われ落ち着いた雰囲気の北庭に客席が挟まれた形の構成となっています。道路から北庭まで見通せる深い奥行きをつくることで、周辺の街並みから切り取られた「別世界」が生まれることをねらっています。レンガや木製ルーバーを内外とも同じ表現として、深い奥行きを強調し、夜には壁のスリット照明がこの「奥行き」にリズムをつくります。
この建物は、建築・ガーデン・グラフィック・アート・家具・テーブルコディネート・料理によるコラボ・レストランでもあります。建築は異なるジャンルを一つにまとめるおおらかな器として、全体の構成を際立てさせることに徹しようと心がけました。
設計を始めた頃、阪神大震災からすでに7年以上が過ぎていましたが、まだそこかしこに空き地が目立ち、この酒蔵通りも活気に乏しい雰囲気が残っていました。このレストランができることで、この街並みに明るさが少し戻ったのではないかと思います。
旧ウーバレ ゴーデン
建築地 | 兵庫県西宮市 |
主用途 | 飲食店舗 |
構造 | RC造・一部鉄骨造 |
規模 | 地上2F |
竣工年 | 2004年3月 |
備考 | 第5回西宮市都市景観賞 受賞 |
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宿泊のための非日常空間